セルフメディケーション税制

医療費控除に期間限定(2017年~2021年)で新たな特例控除制度(題記)が追加される。なお本来の医療費控除とは選択適用となるので、有利なほうを選択して申告することとなる。

特例税制のポイント
  1. 健康の維持増進や疾病予防へ向け一定の取組みを行っている個人が
  2. スイッチOTC医薬品を購入し
  3. その購入費が年間12,000円を超えた場合に、当該超過分を所得から控除できる
ポイントごとの補足
  1. 「一定の取組み」とは:特定健康診査(いわゆるメタボ健診)・インフルエンザ予防接種・勤務先の定期健康診断・市町村のがん検診など(個人的に任意で受けた検診などは対象外)
  2. スイッチOTC医薬品:本来医師の処方薬だったが、店頭で購入できるようになった薬品。風邪薬、胃腸薬、鼻炎用内服薬、水虫・たむし用薬、肩こり・腰痛・関節痛の貼付薬などがあり、該当商品はその旨レシートに表示される
  3. 税込価格を基準とし、割引があった場合は割引後価格。自己および同一生計の親族のために所得税申告者が負担した年間購入額計(控除額は88,000円限度)
申告手続き

確定申告書(控除欄)に記載の上、購入したことを示すレシートのほか、上記Aの取組みを証明する領収証原本か診断結果通知表写し(診断結果部分は黒塗または切取可)を添えて申告する

本来の医療費控除(確認)

薬品購入費・通院費(ガソリン代・駐車料金は対象外)を含めた年間の医療目的支出(自己および同一生計の親族のために所得税申告者が負担した金額)で、下記のうち低いほうをオーバーした金額を所得から控除できる

  • 10万円
  • 総所得金額×5%

よって対象となる費用の種類は本来の医療費控除のほうが多いが、金額のハードルは一般的にセルフメディケーションのほうが低い。選択適用なので自らの出費内容からどちらにするか判断することになる

つまり病院等にはあまり行かず、市販薬で済ませることが多い人は本特例を利用するメリットが発生する

なお両制度とも、住民税の課税所得計算においても控除を受けられる