年金保険料の引上げ終了

2004年の年金改革で決まった厚生年金保険料率の段階的引上げが、この9月分(一般的には10月天引き分)からの引上げで終了し、予定上限の18.3%となる。法案成立時13.58%だった料率が、毎年0.354%ずつ引上げられてきて、最終的に残った0.118%が今回引上げられた

一方国民年金保険料も2004年の13,300円から毎年280円ずつ引上げられ、本年度以降16,900円で固定されることが決まっていた。ただし同保険料は、毎年、物価や賃金の変動を加味して決められるため、引上げスケジュールが終了した今年度の保険料は16,490円となった。すなわちこの間、物価が下落した年もあり、予定の保険料を下回っている。そして制度維持のための既定の引上げは終了したが、今後も物価・賃金の変動による増減は発生する

またそれとは別に2019年度からは、国民年金でも産前産後の保険料免除制度をスタートさせるため、その原資として100円程度の保険料引上げが見込まれている

かくして保険料が頭打ちされたことで、少子高齢化がさらに進む今後は、いよいよ給付される年金のほうで調整せざるを得なくなるものと思われる

ところで厚生年金保険料率が18.3%と言っても、労使折半なので実質負担は9.15%である。一方国民年金保険料の16,490円が9.15%となる所得を逆算すると180,220円となる。しかしながら平均受給額では厚生年金受給者が国民年金のみ受給者の2.6倍となっているので、受給額に見合う負担という視点では、国民年金のみの人は「月額47万円程度の所得は欲しい」ということになる(給与所得者のみなし経費である給与所得控除は考慮していない)

「負担感」という意味では、保険料が給与天引きである厚生年金加入者のほうが、尚、軽いかもしれない

ちなみに社会保険加入者のトータルとしての社会保険料負担割合(概算例)は次の通りとなる

厚生年金保険料 9.15%
健康保険料 5.81%
雇用保険料 0.3%
合計 15.26%
  • 健康保険料は「宮城県・協会けんぽ・介護保険2号被保険者」の場合
  • 雇用保険は「一般事業」の場合
  • 厚生年金・健康保険は「標準報酬額」に対する掛け率