コロナ禍により雇用保険財政が悪化したことを受け、雇用保険料率が引き上げられる。
雇用保険料率は、事業目的ごとに3つの料率が個々に定められている
- 雇用保険2事業
- 失業等給付
- 育児休業給付
(A)「雇用保険2事業」分は事業主のみが負担するが、(B)「失業等給付」と(C)「育児休業給付」については事業主と労働者が折半で負担することになっている
「雇用保険2事業」とは「雇用安定事業」と「能力開発事業」を指し、それぞれ下記のような助成金等に充てられる
< 雇用安定事業 >
- 雇用調整助成金
- 特定求職者雇用開発助成金
- 労働移動支援助成金
< 能力開発事業 >
- 人材開発支援助成金
- 職業能力開発施設の設置・運営
このうち(C)は据置き、(A)は2022年4月より0.05%引上げ、(B)は事業主、労働者とも2022年10月から各々0.2%引上げとなることが決まった。すなわち労働者の負担は2022年10月より0.2%重くなる
負担者 | 労働者 | 事業主 | ||
---|---|---|---|---|
上記区分 | (B) | (C) | 合計 | 合計 |
2022年3月まで | 0.1% | 0.2% | 0.3% | 0.6% |
2022年4月から | 0.1% | 0.2% | 0.3% | 0.65% |
2022年10月から | 0.3% | 0.2% | 0.5% | 0.85% |
農林水産業・清酒製造業・建設業の料率は別途の定めあり(上表はその他の一般事業用)
事業主負担料率は、労働者と同じ料率に雇用保険2事業の料率(2022年3月までは0.3%、4月からは0.35%)を加えたもの
保険料算出基準となる賃金には、通勤手当・家族手当・残業手当・住宅手当等を含むが、慶弔費・出張費等は含まない