このたびの改正は育児・介護休業法の改正と、それに絡む内容も含めた雇用保険の改正がメインとなっている。主な改正項目は次の通り。
- 雇用保険料率を現行1.0%から0.8%へ引下げ
事業主と折半のため対給与では0.1%の引下げ - 介護休業の分割取得を可能とする(3回まで)
現行は1回のみ。延べ日数は93日で変更なし - 介護休業時の給付限度額を賃金の67%に引上げ
現行は40% - 同居や扶養をしていない祖父母・兄弟姉妹・孫も介護休業の対象とする
現行は「同居かつ扶養」が要件 - 介護給付費算定時の賃金日額上限を「45歳以上60歳未満の上限」とする
現行は「30歳以上45歳未満の上限日額」 - 介護を抱える労働者は現行規制に加え「所定外労働の免除」を請求できる
現行規制:時間外(月24時間・年150時間超)深夜業(22時~5時)の禁止 - 選択的措置(*1)は介護休業と別枠で、3年間に2回以上利用可とする
現行は介護休業と合算で93日 - 介護休暇(*2)や子の看護休暇の半日単位取得を可へ
現行は1日単位。年間上限の5日(*3)は変更なし - 65歳以降の新規採用でも雇用保険加入となる
現行は65歳前からの継続雇用者のみ対象 - 再就職手当の給付率を引上げ
対・所定給付日数 給付残への掛け率 現行 改正後 1/3以上残して就職 50% 60% 2/3以上残して就職 60% 70%
施行日はAが本年4月1日、Cが同8月1日、その他は2017年1月1日となっている
<上記(*)についての補足>
- 事業主は介護を抱える労働者に対し「所定労働時間の短縮」「フレックスタイム制度」「始業終業時刻の繰下げ・繰上げ」「介護サービス費用の助成」のうちから1つ以上の措置を選択して講じなければならない
- 介護休暇は家族の通院付添いなどのため単発で取得する休暇で、介護休業は介護体制構築を目的として一定期間まとめて取得するもの
- 介護・看護休暇は対象者が複数の場合、上限が10日となる