健康寿命と要介護期間

このたび、厚労省より2016年時点の健康寿命調査結果が発表された。全国平均で男性72.14歳、女性74.79歳で、前回調査(2013年)より男性0.59歳、女性0.58歳伸びたとのこと(宮城県は男性72.39歳、女性74.43歳)

とは言えむしろ「あと○○年しかないのか」と思った方もいらっしゃるのではないだろうか。とするならばそれは、日常「平均寿命」のほうが取り上げられる機会が多く、その印象が残っているからではないだろうか

昨年7月に発表された平均寿命(2016年)は男性80.98歳、女性87.14歳だ。上記「健康寿命」との差は、なんと男性8.84年、女性12.35年もある

厚労省に拠れば、この差は「日常生活に制限のある不健康な期間」とのこと。一方この手の「期間」でよく取り上げられるのが「要介護期間」だ。この2つの「期間」をどう捉えればよいのか

平均要介護期間(ここでは要介護2以上とする)は、データにより差異があるが、男性1.53年、女性3.11年とも言われる。つまりこの「不健康な期間」と「要介護期間」との差は「軽度の要介護や要支援状態、あるいは、そこまでにも達しない不健康な期間」ということになる

大まかにイメージとしては見えてきた。しかしそもそも、この「健康寿命」は下記のごとく、主観に拠るアンケート結果を基としているので、ファジーになって当然だ

<アンケート調査の質問と回答選択肢>

  1. 「あなたは現在、健康上の問題で日常生活に何か影響がありますか?」
    1. 「ある」
    2. 「ない」
  2. 「あなたの現在の健康状態はいかがですか?」
    1. 「よい」
    2. 「まあよい」
    3. 「ふつう」
    4. 「あまりよくない」
    5. 「よくない」
  • 1の質問に対しB
  • 2の質問に対しA・B・C

との回答で健康とみなされる

よって気をつければ問題がない過去の心疾患や、重大とまでは言えない体調不良でも、各自の捉え方により「不健康」となる

いずれにせよあくまで「平均」であるから、ライフプランニングの際の1つの指標として捉えればよい