この4月1日より18歳からが成年となる。その影響は多方面に及ぶが、当サイトで扱う事項に関する主なものをまとめた。
まず、いつ成人になるのかを整理する
2022年4月1日までに20歳になる人 (2002年4月1日以前生まれ) |
20歳の誕生日 |
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2022年4月1日時点で18歳・19歳の人 (2002年4月2日~2004年4月1日生まれ) |
2022年4月1日 |
2022年4月2日以降に18歳になる人 (2004年4月2日以降生まれ) |
18歳の誕生日 |
「成人」になることで、ジャンルを超えて最も重大なことは「単独で法律行為(契約)を為しうる」ということである。未成年ならば、親の同意なくして為した契約は、クーリングオフの対象とならなくても取消できたが、それができなくなる
金融・資産運用への影響
- ローン契約を交わせる
- 単独で証券総合口座を開設し運用できる
NISA口座(つみたてNISAを含む)は開設年の1月1日基準で「成年」であることが要件であるため、2022年中は本年1月1日時点で20歳以上、2023年からは同年1月1日時点で18歳以上で開設可能となる
なおジュニアNISAは逆に開設年1月1日時点で未成年であることが要件なので、2022年中は1月1日時点で20歳未満、2023年は1月1日時点で17歳まで、となる。ただしジュニアNISAは2023年いっぱいで制度廃止となるため、2024年以降新たな投資はできない
相続税・贈与税への影響
1.未成年者控除
- 未成年者は、相続税から下記算式による金額を控除できる制度
相続開始日 | 控除額算式 |
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2022年3月31日まで | (20歳-相続開始時の年齢)×10万円 |
2022年4月1日以降 | (18歳-相続開始時の年齢)×10万円 |
上記カッコ内計算結果は端数切上げの整数
2.贈与税の特例税率適用
- 直系尊属からの暦年贈与において、受贈者が未成年の場合に税率が軽減される制度
贈与時期 | 受贈者の年齢要件 |
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2022年3月31日まで | 贈与年の1月1日時点で20歳以上 |
2022年4月1日以降 | 贈与年の1月1日時点で18歳以上 |
なお上表の基準は下記3・4・5にも適用される
3.相続時精算課税制度の利用
- 60歳以上の直系尊属から成年の推定相続人(代襲相続人を含む)に贈与する場合に選択できる制度
4.相続時精算課税(住宅資金特例)の利用
- 居住用家屋の新築・取得・増改築等資金を贈与する場合は、相続時精算課税制度における贈与者の年齢制限が適用されない特例
5.住宅取得等資金贈与の特例
- 直系尊属から居住用家屋の新築・取得・増改築等資金の贈与を受ける場合、住宅の種類に応じ、一定限度額まで非課税となる特例
限度額については2022年度税制改正で引下げが見込まれている
6.結婚・子育て資金一括贈与の特例
- 直系尊属から題記目的の資金贈与を受けた場合、1000万円を限度に非課税となる特例
資金管理契約締結日 | 受贈者の年齢要件 |
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2022年3月31日まで | 締結日時点で20歳以上50歳未満 |
2022年4月1日以降 | 締結日時点で18歳以上50歳未満 |
- 本特例は2021年度税制改正において、取扱いが一部改正されている( サイト内別投稿 )
- 本特例は2023年3月31日をもって廃止される
7.事業承継税制(法人版・個人版)
- 法人の非上場株式や個人事業の特定事業用資産の贈与・相続において、一定要件のもとに税が猶予・免除される制度
20歳以上であった受贈者の年齢制限が、2022年4月1日以降、「贈与日時点で18歳以上」となる
なお成人となることで遺産分割協議にも本人が参加できるようになる。一方飲酒・喫煙、公営ギャンブル、大型・中型自動車免許等、例外的に「20歳以上」が引き続き要件となるものもあり、当サイト関連では国民年金の加入がそれに該当する