「教育訓練給付」に新制度

雇用保険の教育訓練給付制度には「一般教育訓練給付」と「専門実践教育訓練給付」があるが、10月から新たに「特定一般教育訓練給付」が加わる。

イメージとしては、専門実践教育訓練給付ほど「時間をかけて本格的に専門技能を身につける講座」ではないものの、今、社会的に求められている技能を習得し、早期のキャリアアップや速やかな再就職につなげるための講座らしい(講座開設希望者の申請を受け、厚労省が審査・指定する)

各給付の特徴(まとめ)
一般
  • 広範な分野を対象とし比較的チャレンジしやすい
  • 講座数は1万超(機械運転・医療・福祉・IT・事務・営業・販売・技能検定・業務独占サービス・・・)
特定一般
  • 受講開始1ヶ月前までに、キャリアコンサルティングを受けてジョブカードの交付を受けた上で、ハローワークで受講資格の確認を受けなければならない
  • 下記4は出産・育児等のためにキャリアを中断した女性の職場復帰・キャリアップを目的としている

< 対象講座 >

  1. 業務独占・名称独占資格・必置資格の取得講座(146講座)
  2. IT資格(ITSSレベル2以上)取得講座(3講座)
  3. ITパスポート試験合格目標講座(現在なし)
  4. 短期のキャリア形成促進・職業実践力育成プログラム(1講座)
専門実践
  • キャリアアップ・転職を展望し、より専門的なスキル・資格を時間をかけてでも習得したい人を対象とする
  • 受講申請手続きについては「特定一般」同様
  • 受講期間中6ヶ月ごとに申請し受給する
  • 45歳未満、失業中、講座が通信制・夜間制でない、雇用保険の基本手当受給期間外、などの条件を充たせば「教育訓練支援給付金」も追加受給できる(2022年3月末までの時限措置)

< 対象講座 >

  1. 業務独占・名称独占資格取得講座(1,454講座)
  2. 専修学校の職業実践専門課程(733講座)
  3. 専門職学位課程(82講座)
  4. 大学等の職業実践力育成プログラム(109講座)
  5. 情報通信技術関連資格取得講座(11講座)
  6. 第四次産業革命スキル習得講座(47講座)
給付額(対象:入学料と受講料)
一般  20%(10万円限度)
特定一般  40%(20万円限度)
専門実践  50%(1年で40万円限度)

  • 受講終了後1年以内に雇用保険被保険者として雇用された場合、20%(16万円限度)を追加受給できる(計56万円限度)よって受講期間が最長の4年間に渡った場合、最大224万円受給可能
  • 教育訓練支援給付金:雇用保険基本手当の80%

給付対象者(特記なしは3給付共通)

  • 雇用保険被保険者期間が継続して3年以上の在職者、または、その資格を喪失してから1年以内の離職者(「専門実践」は2018年に10年から3年に必要期間が短縮された)
  • ただし初受給に限り「一般」と「特定一般」は1年、「専門実践」は2年で可(2回目以降は前回受給日以降に3年以上の被保険者期間が必要)
  • 離職により雇用保険加入期間に断絶があっても、その中断が1年以内なら前の加入期間と通算可
  • 妊娠・出産・育児・傷病等で30日以上受講開始不可の状態が続く場合、離職から20年を限度に受講可能となるまで猶予を受けられる
  • 非正規雇用者でも雇用保険加入要件を充たせば受給可
  • 各々、所定の受講終了要件を充たさなければならない

開設講座は厚労省の「教育訓練給付制度検索システム」から検索できる