2024年度税制改正の概要

ここでは、一般的な個人が係わる新制度及び改正点の概要を掲載します。

定額減税

2024年度の所得税・住民税より下記要項に基づき一定額を控除する。

2023年度の住民税非課税世帯には2023年度中に3万円と7万円、2度に分けてすでに計10万円が給付されており、また、住民税均等割のみ課税世帯に対しても同様の10万円給付が追加で決定しており、本定額減税はこれら以外の世帯に対する支援措置となる。なおこれらに該当する低所得の子育て世帯には、18歳以下の子1人当り5万円の追加給付も決まっている

2024年度に新たに住民税非課税、あるいは均等割のみ課税となる世帯についても、10万円給付ならびに子育て世帯向け給付の対象とされ、手続きが進められている

課税世帯ではあるものの下記減税額をフルに控除できない世帯については、当該不足分を給付することとしている

減税額

(A)=本人、同一生計配偶者、扶養親族の合計人数

  • 所得税:(A)×3万円
  • 住民税:(A)×1万円
    (所得割から控除)

「同一生計配偶者・扶養親族」とは

課税対象者と同一生計で合計所得金額48万円以下の者

所得要件

合計所得金額 1,805万円以下
(給与所得のみなら年収2,000万円以下)

減税(控除)方法

下記、給付時の源泉徴収税額から控除、または納税時に控除

所得種類 税種類 控除(開始)月 控除しきれなかった分
給与所得 所得税 6月給与 翌月以降順次
住民税 6月は徴収せず、
7月~翌年5月の11ヵ月で均等分割控除
公的年金 所得税 6月給付分 8月以降順次(偶数月)
住民税 10月給付分 12月分以降順次
不動産・事業所得 所得税 確定申告時
(予定納税者は1期)
(2期以降順次)
住民税 一括(1期)納付時 (2期以降順次)

ただし「控除対象となっていない同一生計配偶者(=配偶者の所得基準は充たしているが、課税対象者の所得が多いために控除対象となっていない配偶者)」分の住民税については2025年度分からの控除となる

子育て&若年世帯の住宅ローン控除優遇

夫婦のいずれかが40歳未満、または19歳未満の扶養親族を有する者(扶養者の年齢条件なし)が、認定住宅等を新築または新規取得し、2024年中に居住した場合に限り、減額予定だった控除対象借入限度額が維持される

< 対象限度額の減額予定 >
2022・23年入居 2024・25年入居
認定住宅 5,000万円 4,500万円
ZEH水準省エネ住宅 4,500万円 3,500万円
省エネ基準適合住宅 4,000万円 3,000万円
その他の住宅 2,000万円 0円
  • 対象者は2024年入居でも赤字の通り維持される
  • 「その他の住宅」は対象者も控除不可となる

子育て世帯のリフォーム支援

既存のリフォーム促進税制(耐震・バリアフリー・省エネ等目的のリフォーム標準工事費用の一定割合を所得税から控除できる)の対象工事に、子育て世帯が行う「子育て対応改修工事」を追加する(10%を所得税から控除)

主な要件
  • 2024年中の工事が対象
  • 対象工事種類
    • 子どもの事故防止目的の工事
    • 対面式キッチンへの交換工事
    • 開口部の防犯性を高める工事
    • 収納設備増設工事
    • 一定の防音性を高める工事
    • 一定の間取り変更工事
  • 標準工事費用が50万円超
    (補助金等を控除後の金額)
  • 標準工事費用上限は250万円
    (よって最大25万円控除)
  • 合計所得金額が2,000万円以下

国民健康保険料(税)軽減の所得基準緩和

前年の総所得金額等の合計(世帯主および同一世帯被保険者の合計)が
「43万円+被保険者数×一定額+10万円×(給与所得者等の数-1)」以下なら均等割額と平等割額の軽減を受けられるが、その一定額が引上げられた

「給与所得者等」とは給与収入が55万円を超える者、年金収入が60歳未満なら60万円を、65歳以上なら125万円を超える者を指す

< 上記算式の一定額 >
軽減割合 現行 改正後
5割 29万円 29.5万円
2割 53.5万円 54.5万円

7割軽減の基準は変更なし