3月27日に改正法案が成立した。ここでは一般個人に係る主な項目を掲載する。なお以下の項目については別投稿とした。
住宅ローン控除に特例設定
消費税率10%が適用される住宅を取得した場合、控除期間が3年延長される
10年目までの税額控除額は現行通り
11~13年目の控除額は次のいずれか少ない額
- 年末の借入残高(4000万円限度)×1%
- 税抜き取得価格×2%÷3
- 借入が少なく「11~13年目の各年末の借入残合計×1%」が「税抜き取得価格×2%」より少ない場合、消費増税分を回収できない
- 認定住宅は上記4000万円が5000万円となる
- 3月31日までに売買契約が済んでいる場合、引渡しが10月以降となっても消費税は8%が適用される
- 特例適用のためには2019年10月1日~2020年12月31日に居住開始要
このほか、消費増税による落込みを回避すべく「すまい給付金の拡充」・「ポイント付与制度の新設」が決まった。概要についてはこちら サイト内別投稿
年金からの源泉徴収改定
扶養控除等申告書を未提出の場合の所得税源泉徴収額計算法が改定される。すなわち未提出でも公的年金等控除および基礎控除相当を控除した上で、徴収税率も引下げとなる
現行 | 改定後 | |
---|---|---|
源泉徴収額 | (支給額-控除額)×10.21% | (支給額-控除額)×5.105% |
上記算式の 「控除額」 |
支給額×25% | (月支給額×25%+65千円)×支給月数 月(上記括弧内)最低保証 65歳未満: 90,000円 65歳以上:135,000円 |
(2020年1月以降給付分より)
国保保険料の軽減基準改定
軽減割合ごとの所得基準が緩和される
現行 | 改定後 | |
---|---|---|
5割軽減 | 被保険者数×275千円 | 被保険者数×280千円 |
2割軽減 | 被保険者数×500千円 | 被保険者数×510千円 |
7割軽減制度(住民税課税所得が33万円以下)は改定なし
(2019年度より)
自動車関連税制改定
車種・排気量・燃費ごとの課税となっているため概略を掲載。詳細は 総務省サイト
自動車取得税 | エコカー減税の率を縮小して半年延長(2019年9月まで)。10月の消費税引上げと同時に自動車取得税は廃止 |
---|---|
自動車税 軽自動車税 |
2019年10月以降新規登録車より全排気量クラスとも引下げられるが、取得時は、廃止される自動車取得税の代わりに創設される環境性能割が付加される(2020年9月末までの1年間は1%軽減措置有) グリーン化特例は2021年度から対象が縮小され、電気自動車等に限定される(2023年度まで) |
重量税 | エコカー減税は率を縮小して2年延長(2021年4月末まで) |
NISAの対象年齢改定
NISAおよび積立NISAの口座開設可能年齢が「その年の1月1日現在で18歳以上」に、ジュニアNISAの対象年齢が「その年の1月1日現在で18歳未満」となる(ともに現行は20歳基準)
(2023年1月より)
住宅取得等資金贈与の非課税枠拡大
20歳以上の者が直系尊属から住宅の取得や増改築の資金贈与を受けた場合の贈与税非課税枠が拡大された
契約締結日 | 省エネ等住宅 | その他の住宅 |
---|---|---|
~2020年3月末 | 3,000万円 (1,200万円) |
2,500万円 (700万円) |
~2021年3月末 | 1,500万円 (1,000万円) |
1,000万円 (500万円) |
~2021年12月末 | 1,200万円 (800万円) |
700万円 (300万円) |
括弧内は消費税8%適用時(の既定額)
省エネ等住宅とは
断熱・耐震・高齢者等配慮などで、それぞれ基準を充たした建物
相続空家の「3000万円特別控除」延長
相続で取得した空家(被相続人の居宅)を売却した譲渡所得から3000万円を控除できる制度が4年延長される
(2023年末まで)
対象物の条件を緩和し、現行の「被相続人が相続開始直前まで居住していた家屋、または家屋取壊し後の土地」に加え、「要介護認定を受け、老人ホームに入居していたが、その入居以降、誰も当該自宅を使用していない」場合も対象となる
森林環境税の新設
年額1,000円の国税。住民税に準じた非課税措置が講じられ、住民税と合わせて徴収される
(2024年度から)
低所得の一人親を住民税非課税に
下記に該当する者が住民税非課税対象に追加される
- 児童扶養手当を受給中
- 婚姻していない、または配偶者の生死が不明
- 前年合計所得金額が135万円以下
(2021年度分住民税より)
2019年度は臨時・特別措置で児童扶養手当に年17,500円を上乗せ
ダブルの配偶者控除否認
所得税で、双方が控除対象配偶者に該当しても、片方しか配偶者(特別)控除を受けられないこととなる
(2020年分の所得税より)
確定申告時の書類省略
確定申告の際に求められていた次の書類が添付不要となる
(5年間の保存義務はあり)
- 給与・年金等の源泉徴収票
- 特定口座年間取引報告書
- 株・投信の配当・分配金支払通知書
(2019年4月以降提出分より)